めまいの症状・原因・治療

めまいを軽くみてはいけません

 めまいはありふれた症状ですが、その原因は多様です。めまいの裏には病気が潜んでいることもあります。「疲れのせい」「年のせい」と思っていた症状が、実は専門的な治療が必要になる病気のサインかもしれません。めまいは転倒の原因にもなります。めまいが恐くて外出を控えるようになったり、生活にも影響が出てきたりします。
 めまいは我慢せずに、また治まったとしても、早めの受診をしましょう。

めまいのしくみ

 一口にめまいといっても、体がふらつく感じから、自分や周囲がグルグル回って立っていられなくなったりと、めまいの症状は多様です。
 耳が原因のめまいは症状がどんなにひどくても、命に関わるものではありません。しかし、めまいを経験した方は体に何が起こったのか不安に思います。

 

 めまいはどのようにして起きるのでしょう。

 

 体のバランスを保つには、目から、耳から、そして筋肉や関節など身体中から情報が脳に届き、脳内で「統合」されて、バランスを維持するための指令が出され、姿勢を制御します。この、情報・統合・指令の過程のどこかに問題が起こると、体のバランスが崩れ、めまいを起こします。

 

 すなわち、

  • 視覚
  • 内耳末梢前庭系(三半規管・耳石器)、骨格筋・関節などの体の深部の知覚
  • 中枢前庭系(小脳・大脳)
  • 末梢前庭系と中枢前庭系を結びつける脳幹

 の働きが、体のバランスを保つために必要です。
 めまいは、この経路のいずれかの部位の障害によって起こります。

めまいの原因となる病気

 めまいを起こす病気では、原因不明の内耳前庭障害がもっとも多いです。そして、良性発作性頭位めまい症メニエール病突発性難聴と続きます。中枢前庭障害では椎骨脳底動脈循環不全など、脳血管の障害によるものが多く見られます。

病名 割合
内耳性めまい 16.5
良性発作性頭位めまい症 9.5
メニエール病 5.6
突発性難聴 5.5
慢性中耳炎内耳波及 2.2
起立性調節障害 1.9
頸性めまい 1.4
前庭神経炎 1.2
聴神経腫瘍 1.1
脊髄小脳変性症 0.3
脳幹部腫瘍 0.2
小脳腫瘍 0.2
一過性脳溢血発作 0.1
脳底動脈循環不全 0.1