メニエール病

メニエール病

 メニエール病は疲れた時にめまいや耳鳴りが繰り返し起こる病気です。
 めまい患者の約5%にみられます。有病率としては10万人に40人程度の病気です。

 

症状

 自分や周囲がぐるぐる回っているように感じる激しいめまいを繰り返します。
 めまいは、約20分から数時間、場合によっては一日中続くこともあります。
 耳が詰まったような圧迫感、耳鳴りや難聴など、聴覚に関わる症状がめまい発作の前兆症状となることが大きな特徴です。
 発作が激しいときは吐き気や嘔吐、冷や汗、頭重感などの症状も伴います。
 発作が起こる数日前に、軽い難聴や耳が詰まった感じという前兆症状が現れることが多いです。
 発作の頻度はさまざまで、数日おきの人もいれば数ヶ月に1回という人もいます。繰り返すごとに、聴力がだんだん低下し、平衡機能も落ちていきます。
 30代、40代で多く見られる症状です。

 

原因

 内耳には内リンパ液という液体が含まれています。内リンパ液が増えすぎると、内耳が水ぶくれのような状態(内リンパ水腫)になります。
 さらに内リンパ液が増え内リンパ水腫が大きくなると、内リンパと外リンパを隔てているライスネル膜を圧迫します。このときに耳が詰まった感じや音が聞こえにくいといった前兆症状が現れます。
 さらに内リンパ水腫が大きくなると、ついにはライスネル膜が破れてしまいます。内リンパ液と外リンパ液が混じりあい、高濃度のカリウムを含むリンパ液となってしまいます。そのリンパ液が聴力や平衡機能の細胞に強い刺激を与え、メニエール病の症状が現れるのです。

 

 なぜ内リンパ液が増えるのかは不明です。
 睡眠不足や過労が発症のきっかけになることが多いといわれています。
 原因はまだ不明で治りにくい病気とされていますが、初期の段階で治療を開始するほど治る確率は高くなる傾向にあります。なるべく早く耳鼻咽喉科を受診しましょう。

 

めまいの起こり方

 回転性めまい(グルグル回るめまい)を繰り返し起こします。めまいは20分から数時間、長い時は1日中続くこともあります。耳鳴りや難聴、耳の詰まった感じ、吐き気などを伴うことが多いです。手足のしびれなどの神経症状はありません。

 

診断

 診断では、めまい発作を繰り返すこと、耳鳴りや難聴を伴うこと、同様の症状が起こる他の病気でないことを確認します。
 利尿薬の一種であるグリセロールを服用して聴力が改善されれば、内リンパ水腫が起きている証拠となり、それがメニエール病診断の決め手になることがあります。

 

検査

 眼振検査(めまいが起こっている時に現れる特徴的な眼球な動きを調べる)や聴力検査(さまざまな周波数の音を聞いて難聴の程度を調べる)を行います。

 

初期はストレス対策が効果的

 メニエール病の患者さんの約8割は、ストレスをきっかけに発症しています。
 そのため、特に初期はストレス対策が効果的です。
 また、

  • ゆっくり休む
  • 生活をリフレッシュ
  • 友達と会話する
  • 軽い運動

 なども効果的です。
 多くの場合、数日から1週間程度の入院が必要になります。十分な休養をとり、ストレスを避け、生活リズムを整えましょう。

 

薬物治療

 薬物治療では、

  • 水ぶくれの状態を軽減させる「利尿剤
  • 内耳の血流を改善する「循環改善薬
  • めまいを抑える「抗めまい薬
  • ストレスの軽減に「抗不安薬
  • 内耳の炎症を抑えてめまいや耳鳴りを抑える「ステロイド薬
  • 内耳の感覚細胞を麻痺させることでめまいを抑える「ゲンタマイシン」。

 などが処方されます。発作が治まっている時期にこれらの薬を用いて、経過を観察します。
 通常、まずは利尿剤、循環改善薬、抗めまい薬、抗不安薬を使い、それで改善されない場合はステロイド薬やゲンタマイシンを使います。ステロイド薬やゲンタマイシンは鼓室内注入法(注射器で鼓膜の奥にある鼓室に直接注入する方法)で使われることが多いです。ステロイド薬は内服もできますが、糖尿病や高血圧を悪化させる恐れがあります。
 薬物治療のほかにも、ストレスを軽減するための心理療法や生活指導が行われることもあります。

 

手術

 薬物治療を施しても発作が止まらない場合には、手術を検討します。手術には次のようなものがあります。

  • 内リンパ嚢開放術…内リンパ嚢に孔を開けて内リンパ液を排出する。めまい発作を抑える効果が期待できる。
  • 鼓室内薬物注入術…鼓膜に孔を開けて抗生物質を内耳に注入し、内リンパ液の増加を抑制し、内リンパ水腫を軽減する。
  • 前庭神経切断術…前庭神経は平衡感覚を司る神経。これを切断することでめまい発作を抑える。

 

難聴の悪化を防ぐことが重要

 メニエール病は、激しいめまいに気をとられがちですが、発作を繰り返す度に聴力が低下していく点にこそ注意が必要です。病状が進むと、めまいの有無に関わらず難聴が進むこともあります。
 定期的に診察を受け、薬物療法を続けながら、生活面でも注意していきましょう。適切な治療を続けていれば、服薬が要らなくなることもあります。
 日常生活の見直しも大切です。規則正しい生活をしてストレスを解消するようにしましょう。内耳のむくみの悪化につながるので、塩分や水分の取り過ぎに注意しましょう。睡眠不足や疲労もよくありません。

 

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