突発性難聴
2012/10/05更新
突発性難聴とは、片方の耳に突然強い難聴が起こる耳の病気です。
症状
突発性難聴の患者のうち、約半数がめまいを伴います。メニエール病がめまいをくり返すのに対し、突発性難聴でのめまいは突然に現れ、通常はくり返すことはありません。
また、メニエール病の難聴は初期は低い音が聞こえづらく、その程度も軽いものですが、突発性難聴では様々な音に反応が鈍くなります。全く聞こえなくなることもあるなど、難聴の程度が強いことが特徴的です。左右どちらかの耳に起こり、多くはキーンという高い耳鳴りを伴います。
メニエール病のように発作を繰り返すことはなく、突発性難聴は1回起こるのみです。
めまいの起こり方
突発性難聴の患者のうち、約半数がめまいを伴い、次のようなめまいが起こります。
原因
ウイルス性の感染あるいは内耳の血流障害によって起こると考えられています。突然に発症して耳の聞こえが悪くなるのに伴い、めまいが起こることがあります。また、ストレスが多い生活を送っていると発症しやすいともいわれています。
受診
メニエール病と同様、すぐに耳鼻咽喉科を受診しましょう。早く治療を始めないと、聴力が戻らなくなってしまうことが多いからです。
発症から2週間以内に治療を始めないと難聴は回復しないといわれています。
突発性難聴が発症した人の3分の1は治療で治っていますが、3分の1は部分的に難聴が残り、最後の3分の1はまったく治らず難聴が一生続いてしまうというデータもあります。
治療
安静と薬物療法による治療が基本です。
一般的には5日〜10日ほど入院して安静にします。安静にすると内耳の血液循環が改善されます。
入院中は安静と同時に薬による治療が施されます。ウィルス感染による炎症を抑えるステロイド薬、神経系の働きを回復させるビタミンB12製剤、抗めまい薬や循環改善薬などが使用されます。
突発性難聴は片方聴力が極端に落ちるため、平衡感覚が悪くなります。そのため、症状が落ち着いたら平衡訓練を行うこともあります。
手術
両方の耳に高度の難聴があり、ほとんど聞こえない場合は人工内耳の手術が検討されることもあります。片方の耳が聞こえる場合は手術の対象になりません。人工内耳とは、蝸牛神経に音を伝えるという内耳の働きを、人工的に補う装置です。手術は全身麻酔で行われ、10日ほどの入院が必要です。
過労を避ける
突発性難聴は、過労が続いているときなどに発症しやすい病気です。日頃から十分な休息を心がけ、疲れを溜めないようにしましょう。
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