前庭神経炎

前庭神経炎

2012/10/05更新

 前庭神経炎とは、急激に内耳の前庭神経に障害が起こる耳の病気です。
 前庭神経とは前庭器(耳石器と三半規管を合わせた部分)と脳をつなぐ神経のことです。ここが障害されることで激しいめまいが起こります。

 

症状

 前庭神経炎になると、突然、起きあがれないほどの激しい回転性のめまいが起こります。めまいは数時間から数日間続きます。前庭神経は、平衡感覚に関係する情報を脳に伝える働きがありますが、この神経が傷ついてめまいが起こります。体のバランスがとれなくなって、歩けなくなることもあります。
 患者さんは30〜60歳代に多く、じっとしていてもめまいが続くのが特徴です。難聴や耳鳴りは伴わず、強い吐き気を伴うことがあります。
 激しい嘔吐とめまいで、重病ではないかと心配になる方が多いですが、前庭神経炎による激しいめまいは2日〜1週間程度で治まります。その後もふらつきや吐き気が続き、完全に症状が消えるまでは1〜3ヶ月以上かかることもあります。ほとんどの場合完治しますが、まれに前庭神経の働きが完全には回復しないこともあります。

 

めまいの起こり方

 突然、グルグル回る回転性めまいが起こります。起き上がれないほど激しいもので、じっとしていてもめまいが続きます。めまいは数時間から2、3日続きます。

 

原因

 風邪の後などに発症するケースが多いことから、ウイルス感染や血流障害が原因ではないかと考えられていますが、確かなことは不明です。性別や年代に関係なく発症します。

 

受診

 耳の病気ですので、耳鼻咽喉科で診てもらいましょう。

 

検査

 めまいで現れる特徴的な眼球な動きを調べる眼振検査や、耳の中に少量の水を入れて反応を調べる温度刺激検査を行います。
 脳の病気との鑑別のために、CT検査やMRI検査などの画像検査が行われることがあります。

 

治療

初期はなるべく安静を保ってください。
 次の薬を投与することがあります。

 症状がひどい時は入院する場合もあります。

 

 めまいが治まったら、リハビリを開始します。「目を閉じて立つ」「その場で足踏みをする」などの平衡機能を鍛える運動(平衡訓練)を行います。強いめまいを経験した後に体を動かすのは不安かもしれませんが、積極的に体を動かすことが早い回復に繋がります。

 

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