中耳炎
2012/10/12更新
中耳炎の種類
中耳炎は、のどや鼻から、または孔のあいた鼓膜から細菌が鼓室(中耳腔)に入り、中耳に炎症を起こすものです。
中耳炎は急性中耳炎と慢性化膿性中耳炎(慢性中耳炎)、そして真珠腫性中耳炎に分けられます。
共通するおもな症状は、耳痛や耳漏(耳だれ)、難聴、めまいです。
急性中耳炎
急性中耳炎の症状
急性中耳炎はかぜやのどの病気、鼻の病気に続いて起こり、主な症状は耳痛です。
中耳の炎症によって中耳腔内に膿が溜まり、鼓膜を圧迫することと、中耳粘膜の炎症とによって激しい痛みが起こります。痛みは膿が排泄されると急激におさまります。
中耳に膿が溜まると伝音難聴や耳鳴りが現れますが、痛みによって気づかないことが多いです。
また、めまいや感音難聴を起こすこともあります。
急性中耳炎の治療
急性中耳炎の治療は、溜まっている膿が少なければ、抗生物質の内服だけで治ります。しかし、膿の量が多ければ鼓膜を切開して膿を出す必要があります。
慢性化膿性中耳炎(慢性中耳炎)
慢性化膿性中耳炎の症状
中耳で炎症が起こり、たまった膿を外に出そうとして鼓膜に穴(孔)が開くことがあります。これは鼓膜穿孔と呼ばれます。この穴は自然と塞がれるものですが、孔が開いたままになってしまうことがありあす。
慢性化膿性中耳炎は、鼓膜にあいた孔がずっとふさがらず、耳漏や難聴、耳鳴りといった症状を起こします。化膿性炎症が内耳に波及し内耳炎を起こすため、めまいを起こすこともあります。
内耳の炎症が急激に波及する場合は、内耳全体が侵され、激しいめまい発作と急激な聴力の低下を起こします。
内耳の炎症が徐々に波及する場合は、内耳が部分的に侵され、進行する感音難聴や軽いめまいを起こします。
慢性の名の通り、繰り返し起こるのが特徴です。
慢性化膿性中耳炎の治療
手術による治療が基本となります。しっかり治療しないと、耳鳴りや難聴はどんどん悪化していきます。
真珠腫性中耳炎
真珠腫性中耳炎の症状
本来、鼓室には皮膚はありませんが、ここに皮膚が侵入して増殖すると真珠腫といわれる状態になります。真珠腫は周りの骨を壊し、周辺の期間を侵食する性質を持っています。
真珠腫が内耳の骨壁を壊すとめまいを起こします。
また、内耳の骨壁に孔があくと耳に圧変化が加わり、めまいを起こします。これを瘻孔症状といいます。
さらに、破壊された孔から細菌が入ると、細菌性の内耳炎を起こし、激しいめまい発作と急激な聴力の低下を起こします。
真珠腫性中耳炎の治療
手術による治療が基本となります。
中耳炎の合併症
中耳炎の合併症には、
- 内耳炎(めまい、感音難聴、耳鳴り)
- 顔面神経麻痺
- 化膿性髄膜炎
- 硬膜外膿瘍
- 脳膿瘍
などがあります。合併症を起こす前に、根本的な治療が必要です。
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